飼育の責任
あなたは何故、金魚を飼うつもりになったのだろうか?
多くの人にとって、金魚を飼育するきっかけは、やはり、夏の風物詩である「金魚すくい」だろう。夜店の一興として、すくってみたら、オマケで一匹もらっちゃったよ、といったところだろうか。
夏祭りに金魚すくいはつきもので、ついついやってしまうものだ。それはそれでよい。しかし、このノリで、すくってきた金魚を安易な気持ちで飼ってしまうと、多くの場合、すぐに死なせてしまうことになる。
金魚すくいの小さな弱々しい金魚だって1つの命だ。しかも、金魚はちゃんと飼育すれば10数年生きる。これは犬猫とさして変わらない長寿である。
だとすれば、金魚を飼うことになった以上は、きちんと最後まで面倒をみてやらないと、やはりかわいそうではないだろうか。
それでも、飼育した金魚を死なせてしまうのは、それなりのわけもあるのだ。
実は、金魚庵主人も金魚を真剣に飼い始めてわかったのだが、金魚の飼育は思った以上に難しいのである。
たまに、金魚飼育は熱帯魚の飼育よりも難しいという意見を聞く。私は熱帯魚を飼ったことがないが、確かに、そうかもしれないのだ。
金魚の先祖はフナだが、その後は人工的な品種改良によって変化してきた。このため、金魚は、野生の魚と異なり、野外でも屋内でも人間の世話がないと生きていけない魚なのだ。この辺が熱帯魚と根本的に異なるのである。
つまり、金魚の飼育は、もともと手間がかかるのである。このことは、金魚を真剣に飼育して初めて実感できることだと思う。
なので、私は安易な気持ちで金魚を飼うことはお勧めしない。これから金魚を飼う人は、長期間の世話をするのだと気合を入れ、命を預かると覚悟し、そして何より金魚への愛情をもって飼うべきである。
そう、金魚飼育には、「気合、覚悟そして愛情」が必要なのだ!